開発者からのメッセージ

ひとりひとりの遺伝子情報に応じた「オーダーメイド医療」へ
ひとりひとりの遺伝子情報に応じた「オーダーメイド医療」へ

研究を進めるうえで着目した「遺伝子多型」

動脈硬化にもとづく心筋梗塞や脳梗塞は、糖尿病でその進展が著しく、透析に至る腎症とともにQOL(生活の質)を著しく低下させる要因ともなっています。どうすれば患者様のQOLを向上させることができるのか、どうすれば動脈硬化進展リスクの高い人を早期の段階で的確に見つけ最適な予防法を行うことができるのか・・・。研究を進めるうえで着目したのが新たな危険因子として明らかにされてきた「遺伝子多型」です。

研究に先立つデータと合わせた6000例のデータベース

動脈硬化や心筋梗塞に関連する遺伝子多型の検索にあたっては、「糖尿病オーダーメイド医療研究会(OMRFIT STUDY)」を発足し、多くの先生方、患者様より多大なご協力をいただき、おかげさまで2005年の6ヶ月だけで全国で3898症例という画期的なスピードでデータ収集することができました。そして、解析の結果、多数の遺伝子多型の組み合わせ(combination)により動脈硬化や心筋梗塞、脳梗塞などが進展および発症することが一層明らかになり、本研究に先立つデータと合わせた6000例のデータベースが完成しました。

遺伝子検査にもとづくオーダーメイド生活習慣病予防法

こうして糖尿病の動脈硬化の研究から出発し、2006年6月より医療機関を通じて多くの糖尿病患者様に遺伝子検査にもとづく糖尿病合併症の個別リスク判定を提示し受診者様の意欲的なコントロールに寄与するサービスを開始、同年12月にはメタボリックシンドロームにも適応できるよう改良いたしました。2008年3月には、大阪市の健康・予防医療リーディングプロジェクトの一環として、運動&栄養プログラムを開発し、特定保険・特定健診にも活用できるよう拡充し、遺伝子検査にもとづくオーダーメイド生活習慣病予防法を提示することができるようになりました。

オーダーメイド医療の普及と健康づくり

たとえば肥満の方であれば、自身の肥満に関わる遺伝子情報を知ったうえで減量療法を行うことにより、その成功率を飛躍的に高めることが明らかになっています。このように、生活習慣病の治療あるいは予防において遺伝子検査にもとづく個別リスク判定は、たいへんなポテンシャルを有しています。
それぞれの病気に対して均一の治療法を受けることから、ひとりひとりの遺伝子情報に応じた治療法を選択する 「オーダーメイド医療」へ。弊社は、さらに多くの分野について遺伝子検査を用いた事業を展開し、オーダーメイド医療の普及と健康づくりを目指します。