遺伝子検査と肥満
2019.06.8
コラム過食や飽食、欧米型の食事によって、肥満、糖尿病、動脈硬化などの「生活習慣病」が増加し、個人だけでなく、国の大問題となっています。
とはいえ、同じくらい食べ過ぎや運動不足だったすべての人が、同じように肥満や糖尿病になるわけではありません。
これは、親から生活習慣病になりやすい体質(遺伝因子)を受けついだ人が、過食や飽食、運動不足を長い間続けることによって、生活習慣病になるからです。
ということは、生活習慣病になりやすい遺伝因子を持っている人でも、過食や飽食をさけ、運動をすることによって、生活習慣病にかかることを防ぐことができます。
倹約遺伝子
日常生活をするためのエネルギーが少なくすむタイプの遺伝子があります。
このような遺伝子を「倹約遺伝子」と呼びます。
倹約遺伝子を持っている人は、持っていない人に比べて日常生活で使うエネルギーが少ないために、食べ物が十分に手に入らない環境でも生き残ることができました。
つまり、生きていく上で有利だったわけです。
しかし、簡単に食べ物が手に入る現代社会では、余分なエネルギーを脂肪としてたくわえてしまうため、肥満になってしまいます。
ピマ・インディアン
この倹約遺伝子多く持っている典型的な種族として、アメリカのアリゾナ州に住んでいるピマ・インディアンがあげられます。
ピマ・インディアンは、メキシコにも同じ種族が住んでいて、どちらのピマ・インディアンも倹約遺伝子を多く持っています。
ところが、アメリカのピマ・インディアンは、肥満や糖尿病に多くの人がかかっているのに比べて、メキシコのピマ・インディアンは、アメリカのピマ・インディアンほど、かかっていません。
これはなぜかというと、アメリカのピマ・インディアンは国から食料を与えられており、体をあまり動かさない生活を続けていたためと考えられています。
つまり、太りやすい遺伝子を持っていても、太りにくい生活習慣を続けることで、肥満や糖尿病を防ぐことができるわけです。
サインポストの遺伝子検査と肥満
ピマ・インディアンが持っている倹約遺伝子は、正確にいうと、「倹約型」のβ3アドレナリン受容体遺伝子といいます。
このタイプの遺伝子を持っていると、脂肪を分解させるホルモン(アドレナリン)の働きが弱くなり、基礎代謝料が非「倹約型」の遺伝子と比べて150kcalほど少なくなります。
サインポストの遺伝子検査では、β3アドレナリン受容体遺伝子が「倹約型」であるか「非倹約型」であるかを調べることができます。
また、そのほかの生活習慣病に関する遺伝子をあなたが持っているかどうかも調べることができます。
サインポストと契約されているお近くのクリニックまで、お問い合わせください。